Celestron Advanced VX ベルトドライブ化

はじめに


AVXのバックラッシュを解消するためにギア駆動をベルトドライブ化します。
今回はDEC側(赤緯)のモーターをベルトドライブ化する手順を説明します。

元ネタはminerさんブログ「取り敢えず反赤始めてみる。」です。

※改造は自己責任で。当方は改造によって生じる不具合について一切の責任を負いません。


材料


モーターハウジング内に収まり、モーター側とウォーム側の軸径に合うプーリーを選択します。
選定の基準は、
・モーター側とウォーム側で同じ歯数。
・モーター側軸径5mmとウォーム側軸径6mm。
・軸間距離22~24mmに収まるもの。
です。
これらより、下記のものを使用することにしました。

タイミングプーリー

  • ミスミ HTPA32S2M060-A-P6 32歯/幅6mm/軸穴径6mm
  • ミスミ HTPA32S2M060-A-P5-NFC 32歯/幅6mm/軸穴径5mm/フランジカシメなし

タイミングベルト

  • 三ツ星 60S2M112 6mm幅/112mm(56歯)

プーリーはボスなしの平プーリー。モーター側はminerさんの助言によりフランジなしのものを選択しました。
1セット3000円くらいだったと思います。RA側も改造するなら2セット必要です。


ベルトドライブ化手順


分解


DEC側モーターカバーを外していきます。


上から見てネジが4本、下から見て2本あります。
アリミゾマウンタ台座が邪魔でネジが回しにくいですが、頑張って外しましょう。
下から外すとカバーが動かせるので上側が楽になります。

ギアとモーターが現れます。
ギアを外していきますが、グリスでべたべたなので気を付けましょう。
モーター側、ウォーム側、どちらのギアも2本のイモネジで止められています。
画像では見えない位置にありますが、矢印位置にイモネジがありますので6角レンチで緩めます。
ギアを外しますが、手で引っ張るくらいでは外れないと思います。軸にしっかりはまっているので少し勢いを付けてマイナスドライバなどでこじって外してください。

モーターのリア側にモーターの回転を検知するエンコーダーが付いています。
このエンコーダーの先のコネクタは後程、配線を入れ替えることになりますので外しておきます。


ベルトドライブ化


プーリーを取り付けていきます。
まず、ウォーム側のフランジ付のプーリーを取り付けます。
軸中心を見ながらしっかり取り付けてください。

次にモーターの位置調整固定ネジを緩めます。
写真の(A)~(C)のネジを緩めてモーターをウォーム側に寄せておきます。
この3本のネジでモーターの位置を動かして、ギア当たりを調整することができます。

モーターの固定ネジを緩めたらモーター側のプーリーを取り付けます。
緩まないようにしっかりと取り付けましょう。


ベルトを掛けます。
ウォーム側から掛けます。
モーター側プーリーにフランジが無いことで、ベルトを掛けたままモーター位置の調整ができ、ベルト交換や調整が楽にできます。
ベルトを掛けた時、上部ベルトと下部ベルトの張りが均等になるようにプーリー回転位置を調整してください。片側だけ緩いとベルトが外れたり思わぬ負荷が掛かります。


モーターの位置調整をしながらベルトにしっかりテンションが掛かるようにモーター位置を固定します。


配線変更




ギアの場合、モーター回転方向と逆方向にウォーム側が回ります。
プーリーの場合、モーター回転方向と同じ方向にウォーム側が回ります。
つまり、このままでは回転制御が逆になってしまいます。
そこで、モーターの回転方向を逆にするための配線変更を行います。

変更するのはモーター駆動線とエンコーダーの回転検知信号線をそれぞれ逆につなぎ変えます。
モーターから出ている先、6Pコネクタのピンを抜いて右図のように入れ替えます。
配線の変更が終わったら6Pコネクタを接続します。



注意!:将来においてピンアサインの変更があるかもしれません。その場合は入れ替えるピンが変わりますのでご注意を。



組み立て


ひとまず、電源を接続しハンドコントローラーを使ってスムーズに回転するか確認してください。
最後に元通りモーターカバーを取り付けて完了です。



オリジナル 基板頒布

オープンソースの架台制御ソフト、OnStepのハードウェア実装基板などの話題です。


頒布状況 2024/3/16
○ OnStep基板 Rev2.1
○ OnStep基板 Rev3.0
○ GBC-SHC 基板 Rev1.0
頒布ご希望の方はこちら、基板頒布のお知らせ をご覧ください。

このブログを検索

Blog Archive

QooQ