Windows版 KStarsのAlignモジュールはOnlineのSolverしか指定できません。
通常、このオプションはインターネット上の Astrometry.net のNetAPIを利用することになります。が、遠征先にネットワーク環境を期待できないのでofflineでsolveする環境を作ります。
今回は ANSVR を使ってローカルにAstrometry.netと同じNetAPIを再現してしまおうという仕組みです。
まずは、ANSVR のインストール。
http://adgsoftware.com/ansvr/
ansvr-setup-0.20.exe をダウンロードしてインストールを実行します。
ansvrポート番号は他にサーバーを動かしていなければデフォルトの 8080 でOK。
インストールが終了するとダイアログが開くので、Run the Astrometric Index Donwloader をチェックして、星の検索インデックスをダウンロードします。
インデックスマネージャでダウンロードするインデックスの範囲を指定します。
ここで言う、Narrowest field と Widest field はシステムで複数の鏡筒とカメラを使用するとき、その組み合わせで視野角の一番狭いものと一番広いもののFOV値を引用することになります。
当然、短焦点から長焦点まで対応するなら多くのインデックスが必要となります。
今回はWOStar71II + APS-Cカメラ用のシステムと言うことで、この組み合わせで得られる対角FOV値を使用し、必要最低限のインデックスをインストールします。
FOV値の計算はこの辺りのツールを使って計算すると、
WOStar71II の焦点距離 350mm と APS-Cセンサー(サイズ 23.4mm x 16.7mm)の場合、
対角FOV = 4.70347度 = 282.2082分
FOV値の20%は、
282.2082分 x 20% = 56.44164分(arcmin)
以上より、Narrowest field 側は 56.44164分(arcmin)を含んでいる index ファイル、
Index 4209, 0.7 to 1 deg(42 to 60 arcmin)
を選択。
Widest field 側は 282.2082分(arcmin)を含んでいる index ファイル、
Index 4214, 4 to 5.57 deg(240 to 340 arcmin)
を選択してダウンロードします。
以上でインストール終了、Windowsの起動と共にANSVRが動作するようになります。
スタートメニューに Astrometry.net Local Solver が登録されています。
設定は、スタートメニュー -> Astrometry.net Local Solver -> Ansvr Settings で行いますがデフォルトのまま特に変更する必要はないでしょう。
以上、ローカルマシンで Astrometry.net のAPIが稼働します。
後は、KStarsのAlignモジュールでRemoteのAstrometryサーバーをローカルIPとポート番号に設定します。
ここでは同じPC上でSolverとKStarsを動かすので、http://localhost:8080 に設定しています。
これで、ローカルでのSolvingが可能になります。
Windowsマシンでローカルの Astrometry.net が動くなら、Astrometry.net のAPIを使用しているツール群もこれを利用できるということなので、使いようによっては色々便利なことがあるかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿