久しぶりに、lin_guider です。
もう、ずっとこのオートガイダーを使っていまして、Ekosとも連携できるのでめちゃめちゃ重宝してます。
何より超軽量なのがいい。
Raspberry Pi のようなメモリが弱いシングルボードだと、とにかく軽量は正義です。
で、
lin_guiderは長らくオフィシャルの更新が停止しています。
オートガイダーとしては、必要十分な構成としてほぼ完成しているのでこれでいいのですが、動かす環境はどんどん進化していきます。
UbuntuやらDebianの最新のプロジェクトでは、ついに、Qt4をサポートしなくなりました。
ところが、lin_guiderはQt4ライブラリでビルドするので、これでは動かないわけです。実はいま、Raspberry Pi4 4G版を使って、赤道儀制御システムを再構築しているのですが、新しい物好きの私は Ubuntu 20.04 ARM64版を使用しています。このままでは、lin_guider が動かない、、、
そこで、lin_guiderを Qt5にポートしてしまえ、ということで作ってみました。
移植自体はさほど困難ではなく、単純ポーティングのみですが、一応、動くようです。
オリジナル版の Qt5ポートと、norikyu版のQt5ポートのソースコードを置いておきます。
- オリジナル lin_guider-4.2.0-qt5.tar.bz2
- norikyuバージョン lin_guider-4.2.0-qt5-norikyu.tar.bz2
norikyuバージョンの機能
- 日本語訳の添付
訳が間違っているかもしれませんが、仮の日本語化を行いました。
翻訳ファイルをインストールするには、アーカイブ内のスクリプト、 build_i18n.sh を実行してください。 - ガイド星ロスト時に追尾暴走しないように修正。
ロスト時にはガイドをPAUSEするように変更。ガイド星が復帰したら自動的にPAUSE解除されガイドが再開されます。
PAUSE判定は Q-ctrl のスレッショルド値のうち停止値(単位は%)を使用します。
Q-ctrlがFULLの場合は停止してしまいますので、Notify か Off で使用してください。
ずれ検知にDONUTSアルゴリズムを使用した場合も同様にQ-ctrlによってPAUSEされます。 - calibrationウィンドウの表示位置の記憶
ガイド毎にいちいち表示位置を調整しなおさなくてもOK。
How to make
Raspberry Pi4 の Ubuntu 20.04 Server 上で make した時の記録を残しておきます。Qt5環境下で make するための参考にどうぞ。
以下、INDIがインストールされていることが前提です。
事前にインストールすべきライブラリなどをまとめてインストールします。
Qt4ライブラリの代わりにQt5開発環境を入れておきます。
$ sudo apt install libusb-1.0-0-dev fxload libftdi-dev libraw-dev libtiff-dev libusb-dev liblcms2-dev libtiffxx5 libjpeg-dev libjbig-dev liblzma-dev qttools5-dev-tools qt5-qmake qt5-default
lin_guider オフィシャルで配布されている firmware-ccd と libasicamara はインストールする必要はありません。
どちらも、INDIと同時にインストールされます。
Ubuntuのアーキテクチャが ARM64 (ARM 64ビット版)を使用する場合、ASIカメラライブラリ libASICamera2.so は、ZWOのサイトでもARM64のSDKが配布されていません。幸いなことに、INDIプロジェクトではARM64版のlibが配布されているのでそれを利用しています。
INDIは入れずに、ARM64版の libASICamera2.so が欲しい場合は、INDIのリポジトリを通した後に、
$ sudo apt install libasi
で入るはずです。(INDIを入れてたら実行する必要はありません。)
以上、事前準備が済んだら、おもむろにアーカイブを解凍して、make。
$ tar jxvf lin_guider-4.2.0-qt5.tar.bz2
$ cd lin_guider_pack
$ cd lin_guider
$ ./configure
$ make
lin_guider_pack/lin_guider/lin_guider が実行ファイルなので、コピーします。
$ sudo cp lin_guider /usr/local/bin
norikyuバージョンの場合、以下のスクリプトを実行して日本語ファイルをインストールします。
$ ./build_i18n.sh
以上です。
これで、またしばらく lin_guider を使える(^^)/
0 件のコメント:
コメントを投稿