Intel版ちゃんどら改

2017年8月16日水曜日

もうすっかりネーミングなんか忘れていた”ちゃんどら”くん。
撮影に関しては安定しているシステムなんですが、問題がないわけではありません。
最近、RPi3とRaspbianに関する制限に悩むことが多くなりました。

例えば、最新のライブラリ環境を試そうと思うのですが、Raspbianのベース環境が古いため依存関係に制限されてライブラリの更新がままなりません。
特に今回は、X9iでの撮影を行うために gphoto2 と librawライブラリ更新が必須になりました。
一応、RPi3環境でもやってみたんですが、INDIからKStarsまですべて自力でビルドし直さないといけなくなるので挫折しました。

そこで、もっと自由に環境がいじれる、最新の環境に更新できる”箱”をIntel CPUを使って作ってみました。
ここで予告したように、中心となるのは Intel Compute Stick CSTK-32W です。
一世代前のスティックPCで Atom Z3735F, RAM 2G, 32GB eMMC, というスペック。
今なら1万円以下ですが、RPi3より高いのは仕方なし。

USBポートが1個しかないのでUSB HUBで増設しつつ、RPi3と同じようにEtherやGPIOを使えるようにしました。
作成したのはUSB拡張ボックスです。
サイドにUSB2.0が5ポート、100MLANポート、フォーカサー制御用のケーブルが出ています。
スティックPC自体電源が貧弱なので、拡張ボックスはmicroUSBからのセルフパワーにして電源を分けました。

中身はこんな感じです。元市販品の基板を追い剥ぎしたものを詰め込んでいます(^^;
(※機器の改造はメーカー保証が受けられませんので自己責任で)


箱側に入ってるのは、
  • SANWA USB2.0ハブ(7ポート)USB-2H702BK の基板
    スイッチ、DCソケットは取り外し、外部5Vを入力しています。
  • BUFFALO 10/100M USB2.0用 LANアダプター LUA3-U2-ATX の基板
    基板だけ取り出してハブへ直接配線してます。
  • 秋月電子通商 FT232RL USBシリアル変換モジュール の基板
    miniUSBコネクタは取り外し、ハブへ直接配線です。
    FT232RLはEEPROMを書き換えると4本のGPIOを取り出せます。今回はLinux側のFTDIシリアルドライバにパッチを当ててGPIOをsysfs化して使用できるようにしました。
    GPIOはフォーカサーの制御に使用します。


ふた側に取り付けてあるのは、
  • microUSBコネクタ
    外部電源5Vの入力用です。
  • DC-DCコンバータ基板
    5V->9Vの昇圧回路基板です。USBポートから9Vを得るコンバータから外したものだと思います。DRV8825のモーター駆動電源になります。
  • DRV8825基板
    フォーカサーのモーターをドライブするドライバです。
    FT232RLからのGPIOで制御されます。モーター駆動ピンを外部に引き出しています。

市販品をツギハギしただけで新しい回路は組んでないので仕組みは単純です。
ケースに組み込めばCompute Stickを合わせてもRPi3と同程度の大きさです。
GPSを組み込んでないのでちゃんどらくんより劣りますが、FT232RLのシリアルポートが空いているのでそのうち増設するかもしれません。

これに、Ubuntu 16.04 を入れて動かしています。
Compute StickはUbuntuをインストールするのにUEFI関係のややこしい手間が不要なのと、情報も多いのでとても助かりました。
VNC化などはRPi3と同じでOK。INDIもx86版を使用します。

改良個所としては、FT232RLのGPIOを使用するためにUbuntuのカーネルドライバにパッチを当てました。あと、フォーカサー制御用のINDIドライバをAstroberry Focuserのソースコードを元に自作しました。GPIOを使ったDRV8825制御の汎用的なフォーカサードライバとしてそのうち公開します。

実際に赤道儀に載せてテスト動作も済んでいて、RPi3と入れ替えるだけ全く同じ環境で使用可能です。
ちなみに、この環境でgphoto2を最新版にすると、X9iが制御可能になります。
おかげでINDIとKStarsを使ってX9iでの撮影が行えるようになりました。これができるようになっただけでも十分メリットがあります。

やったぜ、Intel版ちゃんどらくん\(^o^)/

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