OnStep基板

2018年3月1日木曜日

OnStep化しているNES赤道儀ですが、OnStepがメジャーバージョン化したのでプログラムを書き直すついでに基板パターンを起こしてコントローラを作り直しました。
新しいOnStepは、OnStep対応のオープンな回路図面に対応したConfigとPinsがいくつか付いてきます。
対応するハードウェアはWikiに記載されています。

OnStep -Stellar Journey-

OnStep Groupe Wiki

OnStep自体もどんどん進化してて、IP化やフォーカサー対応など機能が増えて行ってます。
うちのNES君の場合、2つの駆動モーターと基本のGoto制御しか使用しないので、モータードライバとUSBシリアル、ST4対応のシンプルな構成です。
前回の回路同様に12V入力して、レギュレーターでマイコン用の5Vを作ります。


基板パターン起こし

個人的に回路図面を引くときはKiCadを使用しています。Eagleから乗り換えました。
回路図とPCBパターンが作れるのでパターン起こしにはこの手のCADが必須です。

基板は自分でエッチングするのですが、生基板へのパターン転写はトナー印刷熱転写方式で行っています。
「プリント基板 トナー ラミネーター」あたりで検索すると方法が分かります。


部品など

マイコンのTeensy3.2、モータードライバのDRV8825、BluetoothシリアルモジュールRN-42がメインの部品です。
今回はINDIでの制御を有線で行えるようにUSBシリアルを搭載します。
他に、ST4ポート用のモジュラジャックRJ12、DCINコネクタ、スイッチ、5Vレギュレータ、抵抗、コンデンサなどです。
ケースはタカチLC115H-N(電池ケース無し)です。


実装


DRV8825焼き切った時に交換できるように各モジュールは丸ピンソケットに載せています(^^;
DCソケットの向こうに付いてるmicroUSB付きのモジュールがUSBシリアルです。
ジャンパでUARTをBluetoothに流すか、USBシリアルに流すか選択できるようにしています。
INDIではBluetoothで使うことが無いのですが、スタンドアロン+スマホで運転するときは必要なので一応、基板対応しておきました。

ちなみに、BluetoothモジュールRN-42はどこにあるかと言うと、裏面の表面実装となっています(^^)
あと、レギュレータが意外に発熱したので小さなヒートシンクを付けました。


組み込み完成


モーターへのコネクタ類を引き出してケースに収めて完成です。
モーターへはDIN-6Pコネクタ経由で接続しています。RA側は基板から直接、DEC側はDIN-6Pソケットを経由します。
簡易赤道儀として動作させる場合はDEC側を使わないのでケーブルを外せるようにしてます。
ST-4ポートは一般的なピンアサインです。


OnStepの書き込み

TeensyにOnStepを書き込まないと話になりません。
OnStepのGitから最新のBeta版をダウンロードして、Arduino統合環境でTeensyに書き込みます。
この時、使用する回路とモーター、ギヤ比に合わせて Config を設定し直します。

Config


基板回路種類によって Configが分かれています。
今回はTeensyを使用した一番単純な Config.Classic.h を使用します。
使いたい Config.****.h の先頭にある、defineスイッチをONにします。
#define Classic_ON   //  <- Turn _ON to use this configuration

オプションで私が追加したのは次の通りです。

#define POWER_SUPPLY_PINS_ON
Pins.hで定義される、Axis15vPin, Axis25vPin をHigh(5V)にします。
DRV8825のRESET, SLEEPの制御で使用しています。

#define AUTOSTART_TRACKING_ON
隠しオプションのようですが、電源オンで即トラッキングを開始します。
簡易赤道儀として使う場合はこれができないと不便です。

#define ST4_PULLUP
ST-4ポートを内部プルアップします。実装部品を減らすための便利オプションです。

#define REVERSE_AXIS1_OFF            // RA/Azm axis
#define REVERSE_AXIS2_ON            // Dec/Alt axis
配線の関係でモーター回転方向が逆になってしまった場合、このフラグで反転させます。
私の場合DEC側が反対だったので反転させています。

MaxRate, StepsPerDegreeAxis?, StepsPerWormRotationAxis1 など
モーターやギヤ比に応じて設定するパラメータです。
OnStepのサイトに計算用のExcelシートがあるので、内容をよく読んで実際の機材の値を入れるとパラメータが計算されます。その値を転記しておきます。

おしまい

USBシリアルでINDIに接続した画面です。
普通にLX200互換として振る舞います。

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オープンソースの架台制御ソフト、OnStepのハードウェア実装基板などの話題です。


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