OnStep基板 Rev2.0 にGPSを載せる方法

2021年12月27日月曜日

OnStepを動作させるとき、何らかの方法で現在時刻と緯度経度を設定する必要がありますが、OnStepの実装の中で、TIME_LOCATION_SOURCE を使って、RTCまたはGPSから情報を取得することができます。

今回はTennsy4.0限定ですが、OnStep基板Rev2.0でGPSモジュールを載せる方法をメモしておきます。

GPSモジュールの実装

今回は秋月電子で取り扱いのある、GPSモジュール AE-GYSFDMAXB を使用しました。

GPS受信機キット 1PPS出力付き 「みちびき」3機受信対応


これ以外にもシリアル出力のGPSモジュールであれば対応可能です。
ただし、Teensy4.0のI/Oは3.3V かつ5Vトレラントではないので、GPSのI/Oレベルも3.3Vのものが必要になります。

GPSモジュールとTeensyの接続ですが、使用できるピンがすでに不足しているので、Teensy4.0の裏面のピンパターンから配線します。
24ピンのTX6と、25ピンのRX6を引き出します。5VとGNDは基板のJ6から取れます。

表面実装のESP-WROOM-02の上のスペースにGPSモジュールを載せました。
もちろん、モジュール同士絶縁してください。
GPSモジュールにバックアップのボタン電池を取り付けられますが、今回は付けていません。

OnStepの書き換え

事前に、Arduino IDEのライブラリに TinyGPSPLUS を導入しておいてください。
手順は「ツール」-「ライブラリの管理」から TinyGPSPLUS を検索してインストールすればOK。

OnStepの修正箇所は Config.h のみです。
Config.h 内に TIME AND LOCATION セクションがあるので、そこを修正します。

TIME_LOCATION_SOURCE を GPS に修正し、
SERIAL_GPS を Serial6、SERIAL_GPS_BAUD はGPSモジュールのシリアル速度に書き加えます。

あとは通常通り、TeensyにOnStepを書き込みます。
以上で完了です。

動作確認

実際にGPSから位置情報を取得しているか調べます。

Androidアプリ OnStep2 から調べる


Observing Sitesメニューの中の Site Name が GPSになっていて、位置情報が正しければ動作しています。Site 1にGPSが割り当てられているようです。

Ekosから調べる


Ekosから接続すると、Site Management の中の Site Name が GPS になっています。

まとめ

最小限の修正でGPSからの時刻および位置情報の取得が可能になりました。
今回はオフィシャルの実装に沿った修正なので、OnStepがバージョンアップしても使用できる可能性が高いように思います。

OnStepをスタンドアロンで動かし、ハンドコントローラやアプリのOnStep2で運用する場合はGPSによって便利になると思います。

INDIシステムで運用する場合は、GPSDのようなシステムで動かす仕組みの方が汎用性があって利便性は高くなります。

なお、OnStep上の実装は、メインのloop内でGPSからSite 1 の位置情報を更新し続けるようになっています。

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