FOVpp値

2015年2月7日土曜日

ガイド鏡に使う600mm前後の屈折望遠鏡を物色していたりします。
が、、なかなかいいものは出回りませんね(-_-;
600mmだと主鏡でもいけるレンジですもんね。

現在所有しているガイド鏡は、よく見かける50mm/F4焦点距離200mmのファインダー鏡です。
この筒でもNexGuideが頑張ってくれてるおかげで?ガイドできないことはありません。
ただ、主鏡に対して焦点距離が短すぎるので光学的なガイド精度を確保するには足りていないように思います。

そこで、実際にカメラやオートガイダーの撮影素子あたりの画角がどのくらいか比較してみました。
先人の知恵をお借りして、1ピクセルあたりの画角を計算します。
下の簡易計算式にあてはめます。
FOVpp(秒角) = ( 206 × ピクセルサイズ(μm) )÷ 焦点距離(mm)
機材の諸元は次のとおり。
  • NexGuide ピクセルサイズ 6μm
  • Canon EOS Kiss X6i ピクセルサイズ 4.2μm
以下、計算結果。

NexGuide ピクセルサイズ6μm
焦点距離 FOVpp(秒角)
100 12.36
200 6.18
400 3.09
600 2.06
800 1.55
1000 1.24
1500 0.82

Canon EOS Kiss X6i ピクセルサイズ4.2μm
焦点距離 FOVpp(秒角)
100 8.65
200 4.33
400 2.16
600 1.44
800 1.08
1000 0.87
1500 0.58


現状のガイド環境 焦点距離200mm+NexGuide の場合、表より1ピクセルあたり6.18秒になります。
対して主鏡環境は 焦点距離1500mm+X6i で0.58秒しかありません。
その差、約10倍!
ガイド鏡で1ピクセルのずれを検知すると、主鏡では10ピクセル動いていることになります。
この主鏡でのずれは星像が膨らむのはもちろん、輪郭がぼけるように写るはずです。

しかし、実際に撮れた写真を見ても星がそんなに膨らんでいるようなことはありません。
これはなぜかというと、オートガイダー側が補正計算をより細かい解像精度で行っているからです。
光学的に10倍の差があるなら補正計算の精度を10倍以上にすれば吸収できるじゃないか、という考え方です。
NexGuideの動作を見ていると、ピクセル単位の単純比較ガイドを行っているのではなく、星像の重心計算を行ったうえでガイドを行っているようです。
このアルゴリズムによって、ガイド鏡と主鏡の1ピクセルあたりの画角の違いをある程度吸収できているのでしょう。
PC用のガイダーもおおむね同じような動作をします。

ただ、これは計算上の話であり、必ずしも光学的に正確というものではありません。
主鏡とガイド鏡の焦点距離差が広がるほど、ガイドの正確さはガイダーの能力やアルゴリズムに依存するということが言えます。

さて、ガイド精度の改善をするにあたって、機材の能力を向上させる場合は2つの方法があるように思います。
ひとつは、ガイドカメラの解像度を上げる(ピクセルサイズを小さくする)方法と、もうひとつはガイド鏡の焦点距離を延ばす方法です。
カメラの解像度を上げるには相当の投資が必要になるので現実的ではありません。ましてや、撮影機材よりも高解像度のガイドカメラなど本末転倒に思えます。

よく、ガイド鏡の焦点距離の目安は主鏡の1/2~2/3と言われます。
例えば1500mmの主鏡を運用するのに目安となるガイド鏡の焦点距離を800mm~1000mmと考えると、NexGuideを使用する場合のFOVpp値は、
800mm = 1.55
1000mm = 1.24
です。
対して、主鏡C6+X6iのFOVpp値が
1500mm = 0.58
なので、その差およそ2~3倍でしょうか。
この場合、単純ピクセル比較によってガイドをしたとしても、最大でも周囲3ピクセルぼける程度に収まりそうです。
200mmのガイド鏡に比べればかなり星像は改善するように思います。
この辺りが投資的にも運用的にも落としどころ、、、ということなのでしょう。

うむ、、、なるほど(・∀・)

そんなわけで、、、
今日もお買い得な鏡筒を探してネットを徘徊するのでした(笑)

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