机上のなんとか

2015年10月28日水曜日

ガイドデータを元に、色々思考実験。

lin_guiderのログより、デルタ値を20ポイント毎のRMS値に直してグラフ化してみました。


RMS=0.4 をはさんで振動しています。
このとき、平均RMS値は、RA側=0.449、DEC側=0.419 となりました。
問題は、この「RMS=0.4」 が適正なのかどうかと言う点です。

さて、主鏡の撮影環境からエアリーディスクの大きさを求め、実際に撮影した場合、カメラ画素上でどのように写されるのかを考えてみます。

撮影環境
Celestron C6 / D(口径)=150mm / fl(焦点距離)=1500mm / F値=10
Canon EOS kiss X6i / 素子サイズ=4.2um /
このときの FOVpp=0.577秒角

波長0.558umの光を受けた場合のエアリーディスクの大きさは、
AD = 2.44 x 0.558 x 10 = 13.62um
X6iの画素サイズが4.2umなので、エアリーディスクはカメラ画素上では3x3ピクセルに収まるほどの大きさです。
右図のようなイメージ。四角い枠1つがカメラ画素1ピクセル分です。

次に、最初のガイドサンプルデータをRMS=0.1~0.5になるように調整し、実際にガイドが行われたと想定します。
ログ内のデルタ値からカメラ画素上では何ピクセル動いたのかをシミュレートして、ADがどのように動くのかプロットしてみます。

結果がこちら。


  • RMS=0.1
    周囲がぼやけた程度で、画素的数に大きさは変わっていない感じ。3x3ピクセル。
  • RMS=0.2
    周囲0.5ピクセルにブレている状態です。4x4ピクセル。
  • RMS=0.3
    かなりぼやけてきました。周囲に1ピクセル膨らんだ感じです。5x5ピクセル。
  • RMS=0.4
    こうしてみると、かなり太って見えますが、周囲1ピクセル強膨らみました。5x5~6x6ピクセルというところ。
  • RMS=0.5
    これはダメかもしれないように見えますが、周囲に1.5ピクセル強ブレている感じ。6x6ピクセル。
ADでの比較はこのようになります。

しかしながら、実際の撮影ではADのような星は微光星であり、いわゆる星として写るのはもう少し大きなものです。
さらに、このブレは星の大小にかかわらず、画面全てに均等にブレます。
例えば、計算上12x12ピクセルに収まる星を撮影する場合、RMS=0.4だと周囲1ピクセル分ブレるので14x14に見えるはずです。
問題は、このブレを許容できるかどうかです。

X6iだと、フル解像度で5184x3456ですが、この解像度の中の12ピクセルと14ピクセルという比較です。
実際に画像を作ってみました。



個人的に、このブレを許容できないなら、コンポジットなど絶対にできないと断言します(^^;;;
理屈では大きなブレに見えても、実際はどうなのかという比較をしないと評価を誤ります。
ADの比較だと、RMS=0.4ではブレ過ぎでは?と思われましたが、実際問題、このくらいなら許容できるのではと個人的に思います。

RMS=0.4の時、実際の写真上で2ピクセル程度はブレるということが分かりました。
その上で、ガイド目標値をRMS=0.4以下に設定すれば、まず間違いがないという落としどころになると思います。

ちなみに、このシミュレーションは撮影環境によって全然違ってくるので、この結果をもって全ての環境に適用できるなんてことはありませんのであしからず(^^;;;

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